事例紹介
 
          事業者情報
                    株式会社エヌケイグローバル(金家 -KINKE-)
所在地:東京都調布市布田1丁目16-12 ダイアパレス調布 1階9号室
業種:飲食業(韓国料理店)
従業員数:8名
                所在地:東京都調布市布田1丁目16-12 ダイアパレス調布 1階9号室
業種:飲食業(韓国料理店)
従業員数:8名
本格的な味わいが楽しめる韓国料理店として、2024年9月に開店
                    調布駅から徒歩3分と駅からほど近い場所にある「金家 -KINKE-」は、間接照明が優しく照らすシックな空間が魅力の韓国料理店。「タッカンマリ」(鶏一羽の水炊き)、「カルグクス」(韓国うどん)といった本格的な料理を落ち着いたおしゃれな雰囲気の中で楽しめることから、オープンから約1年にもかかわらず多くの方にご利用いただいているそうです。今回は同店のソーシャルファーム担当責任者である白鳥伸一さんに、活動にかける想いや今後の展望などをお伺いしました。
「現在は引きこもりや知的障がいなど、様々な理由で就労が困難となってしまっていた4名の方が現在働いています。皆さんにはランチタイムとディナータイムの開店・閉店準備、調理補助、接客業務、テーブルの片づけや清掃などをお任せしているのですが、担当業務は一人ひとりと話し合いながら決めました。まずは、少しずつでいいのでできることを増やしてもらうことを意識しましたね」と白鳥さんは教えてくれました。
                「現在は引きこもりや知的障がいなど、様々な理由で就労が困難となってしまっていた4名の方が現在働いています。皆さんにはランチタイムとディナータイムの開店・閉店準備、調理補助、接客業務、テーブルの片づけや清掃などをお任せしているのですが、担当業務は一人ひとりと話し合いながら決めました。まずは、少しずつでいいのでできることを増やしてもらうことを意識しましたね」と白鳥さんは教えてくれました。
 
                    原点は「母への想い」。社長の経験から始まった新しい挑戦
                    東京都の認証を受け、ソーシャルファームとしての活動も軌道に乗ってきた「金家 -KINKE-」ですが、ここまで白鳥さんを中心にさまざまな試行錯誤を繰り返してきたそう。
「私たちがソーシャルファームを立ち上げた背景には、社長自身がシングルマザーであるお母様に育てられ、大変さを子どもの頃から間近で見てきたという経験があります。当時のお母様のように困っている方を一人でも多く救いたいという想いからソーシャルファームを立ち上げることにしました。金家という店名には、社長が子どもの頃から食べていたお母さんの味──金山家の味という意味も込められているんですよ。しかし、いざソーシャルファームを立ち上げていろいろな方と会っていくと、私自身が福祉などに知見がなかったこともあり“専門知識がない人間にできるのだろうか…”という不安が大きくなっていってしまったんです。そのときに決めたのは、『会社のみんなで支えていこう』ということ。一人でも共感しない人がいると、ソーシャルファームは成り立たないと思うんです。だからこそ毎日のように話し合って、方向性を決めていきました。ときには会社の別部署の人に来てもらって、客観的な意見をもらうこともあったんですよ」。
                「私たちがソーシャルファームを立ち上げた背景には、社長自身がシングルマザーであるお母様に育てられ、大変さを子どもの頃から間近で見てきたという経験があります。当時のお母様のように困っている方を一人でも多く救いたいという想いからソーシャルファームを立ち上げることにしました。金家という店名には、社長が子どもの頃から食べていたお母さんの味──金山家の味という意味も込められているんですよ。しかし、いざソーシャルファームを立ち上げていろいろな方と会っていくと、私自身が福祉などに知見がなかったこともあり“専門知識がない人間にできるのだろうか…”という不安が大きくなっていってしまったんです。そのときに決めたのは、『会社のみんなで支えていこう』ということ。一人でも共感しない人がいると、ソーシャルファームは成り立たないと思うんです。だからこそ毎日のように話し合って、方向性を決めていきました。ときには会社の別部署の人に来てもらって、客観的な意見をもらうこともあったんですよ」。
 
                    「できない」と決めつけずに、寄り添いながら力を引き出したい
                    試行錯誤を繰り返すなかで起こった白鳥さんの大きな変化──それは“就労に困難を抱える方との向き合い方”だったそうです。具体的にどのような変化があったのかを教えていただきました。
「以前は障がいのある方と接するとき、最初から決めつけてしまっていたところがあったんです。“あれはできないだろうな”とか、“あれはお願いしないほうがいいだろうな”とか。でも実際にやってもらうと大丈夫なことが想像以上に多くて…そこで決めつけてしまっていた自分に気づいてハッとしたんです。もちろん逆のパターンもあるのですが、だからこそ“相手を知る”ことに力を注ぐようになりました。自分だけが心をオープンにしてもダメで、相手がどこまで打ち解けてくれているかも重要。接し方のさじ加減を一人ひとりで変えて、じっくり話をするようにしています。実はオープンしたばかりの頃は、障がい者が働いていることを伝えるポスターを店頭に貼っていました。しかしそれはお客様に対する言い訳でしかなく、さらに普通に働きたいと思っているスタッフが色眼鏡で見られるキッカケになってしまうと気づいて剝がしたんですよ」。
                「以前は障がいのある方と接するとき、最初から決めつけてしまっていたところがあったんです。“あれはできないだろうな”とか、“あれはお願いしないほうがいいだろうな”とか。でも実際にやってもらうと大丈夫なことが想像以上に多くて…そこで決めつけてしまっていた自分に気づいてハッとしたんです。もちろん逆のパターンもあるのですが、だからこそ“相手を知る”ことに力を注ぐようになりました。自分だけが心をオープンにしてもダメで、相手がどこまで打ち解けてくれているかも重要。接し方のさじ加減を一人ひとりで変えて、じっくり話をするようにしています。実はオープンしたばかりの頃は、障がい者が働いていることを伝えるポスターを店頭に貼っていました。しかしそれはお客様に対する言い訳でしかなく、さらに普通に働きたいと思っているスタッフが色眼鏡で見られるキッカケになってしまうと気づいて剝がしたんですよ」。
 
                    「丁寧にやること」をモットーに、少しずつ成長中!
                    長坂太朗さんは「金家 -KINKE-」のオープニングスタッフ。2024年9月から、お店を支える頼れる仲間の一員として活躍しています。
「自分が通っていた特別支援学校にはカフェが併設されていて、私はそこでコーヒーやクッキーを売っていました。そのときの経験から接客に興味があったのと、テレビで韓国料理の話題を目にすることが多く、ここで働いてみたいと思いました。担当しているのはランチの準備や調理補助、接客業務。最初は店長や料理長が、一つひとつじっくり教えてくれました。一番大切にしているのは、時間はかかってしまうのですが“丁寧にやること”。メニューにある、韓国の太巻き『キンパ』は働き始めて半年くらいで上手につくれるようになり、最近はお客様に『ビールのおかわりはいかがですか?』など声をかけられるようにもなりました。最初はできないことが多いと感じるときもありましたが、少しずつできることが増え、それを次につなげられたときには大きな達成感を得られました」。
                「自分が通っていた特別支援学校にはカフェが併設されていて、私はそこでコーヒーやクッキーを売っていました。そのときの経験から接客に興味があったのと、テレビで韓国料理の話題を目にすることが多く、ここで働いてみたいと思いました。担当しているのはランチの準備や調理補助、接客業務。最初は店長や料理長が、一つひとつじっくり教えてくれました。一番大切にしているのは、時間はかかってしまうのですが“丁寧にやること”。メニューにある、韓国の太巻き『キンパ』は働き始めて半年くらいで上手につくれるようになり、最近はお客様に『ビールのおかわりはいかがですか?』など声をかけられるようにもなりました。最初はできないことが多いと感じるときもありましたが、少しずつできることが増え、それを次につなげられたときには大きな達成感を得られました」。
 
                    大好きなお店で大好きな仲間と働くなかで“いつか叶えたい夢”も
                    長坂さんは週に4~5日勤務するなかで、一つの“いつかは叶えたい夢”ができたそうです。
「『金家 -KINKE-』は人気のお店なので、週末のディナータイムは予約で満席になることも少なくありません。忙しくてとても大変だけど、お客様がよろこんでいる顔を見るとやりがいを感じられます。最近は顔をおぼえてくれたお客様も増えて、とてもうれしいです!あと、調理補助の仕事ではランチタイムにお出しするカルグクスという韓国のうどんやビビンパなどもつくれるようになりました。まだまだ先の話ですが、いつの日か補助スタッフから調理スタッフになれたらなぁと思っています。そしてオープンから1年、大好きなお店をみんなで一致団結してより良くしていきたいです」。
                「『金家 -KINKE-』は人気のお店なので、週末のディナータイムは予約で満席になることも少なくありません。忙しくてとても大変だけど、お客様がよろこんでいる顔を見るとやりがいを感じられます。最近は顔をおぼえてくれたお客様も増えて、とてもうれしいです!あと、調理補助の仕事ではランチタイムにお出しするカルグクスという韓国のうどんやビビンパなどもつくれるようになりました。まだまだ先の話ですが、いつの日か補助スタッフから調理スタッフになれたらなぁと思っています。そしてオープンから1年、大好きなお店をみんなで一致団結してより良くしていきたいです」。
 
                    音楽イベントを通じて地域ともつながり、活動の幅をさらに拡大!
                    最後に、ソーシャルファームとして一歩一歩成長するなかで起こった“うれしい出来事”を白鳥さんが教えてくれました。
「うちで働いている引きこもりだったスタッフが、NPO法人育て上げネットやジョブトレ、若者サポートステーションで支援を受けている仲間とバンドを結成しており、その活動を社長に話したところ、『金家 -KINKE-』の母体である株式会社エヌケイグローバルの単独スポンサーで『SDN音楽祭 夏の陣』というイベントを開催することになりまして、障がいに向き合い挑戦を続ける若者たちが集まり、熱いステージを披露しました。そのステージで演奏する姿を見たときは、グッときて泣いちゃいましたね(笑)。ちなみに『SDN音楽祭 夏の陣』は活動内容に共感してくれた地元の飲食店の方が料理を出してくれたり、地元の企業や人をご招待したりと地域のコミュニティ内でのソーシャルファームの認知度や理解度のアップにも貢献してくれました。働きたいけど障がいなどが理由で就労に困難を抱える方や、困っているシングルマザーの方と企業をつなげる“架け橋”になるために、今後も幅広い活動を行っていきたいですね」。
(令和7年9月取材)
                「うちで働いている引きこもりだったスタッフが、NPO法人育て上げネットやジョブトレ、若者サポートステーションで支援を受けている仲間とバンドを結成しており、その活動を社長に話したところ、『金家 -KINKE-』の母体である株式会社エヌケイグローバルの単独スポンサーで『SDN音楽祭 夏の陣』というイベントを開催することになりまして、障がいに向き合い挑戦を続ける若者たちが集まり、熱いステージを披露しました。そのステージで演奏する姿を見たときは、グッときて泣いちゃいましたね(笑)。ちなみに『SDN音楽祭 夏の陣』は活動内容に共感してくれた地元の飲食店の方が料理を出してくれたり、地元の企業や人をご招待したりと地域のコミュニティ内でのソーシャルファームの認知度や理解度のアップにも貢献してくれました。働きたいけど障がいなどが理由で就労に困難を抱える方や、困っているシングルマザーの方と企業をつなげる“架け橋”になるために、今後も幅広い活動を行っていきたいですね」。
(令和7年9月取材)
 
                    