事例紹介
事業者情報
株式会社N・SOURCE
所在地:東京都立川市錦町3-6-6 中村LKビルB0 1B
業種: eスポーツジムやパーソナルトレーニングジム、フリースクールなどの運営
従業員数:5名
https://re-vision-tachikawa.com/
多摩地域初のeスポーツジムを立川にオープン!
テニスショップや美容室を運営している株式会社N・SOURCE(エヌ・ソース)は、ソーシャルファームの事業所として、新たに「eスポーツ&パーソナルトレーニングジム RE:VISION(リビジョン)」をオープンしました。ハイスペックなパソコンの他に、動画配信用の配信室や身体を鍛えるトレーニング機器を24時間利用できます。代表の八田一彦さんに、新たな分野でソーシャルファームを立ち上げたきっかけについて伺いました。「以前、社会福祉協議会に勤めていた際に貸付の担当をしたことがあるのですが、その中でご家族から引きこもりに関するご相談を受けたことが複数回ありました。そのことが心に残っていて、独立してからも何かできることがないかを考えていました。引きこもりの方は家でゲームをしていることが多いと聞いていたので、好きなことを仕事にすることで社会復帰に繋がればと思い、たどり着いたのがeスポーツジムの立ち上げでした。私が子どもの時は、近所の駄菓子屋さんに集まって小さなゲームをしながらワイワイ過ごすことがありましたが、そういった地域で人が集まる場所がめっきり少なくなってきています。私自身が長年テニスをしていることもあり、スポーツを通じて人がつながる場所をつくりたいなと思いました。こういった想いを実現するために昨年12月、多摩地域初のeスポーツ&パーソナルトレーニングジムを立川にオープンしました」。
フリースクールは子どもたちの居場所に
eスポーツとパーソナルトレーニングジムとしてスタートした『RE:VISION』では、「フリースクール」として、様々な理由で不登校になっていた小学生のサポートも行っています。「eスポーツジムをご利用のお客様は夜間が中心なので、日中はフリースクールにしたいと当初から考えていました。週2回、10時から14時までは自由に使っていいことにしていて、勉強やゲームをしながら過ごしてもらっています。無理せずにゆっくりと“通う”ことに慣れてもらうことを目的としています。
就労に困難を抱える方には、主に接客をメインとしたお仕事をお願いしています。会員登録などの受付業務や施設の案内、お客様がパソコンを使ったあとの清掃などに加えて、フリースクールに通ってくる小学生の子ども達の勉強のお手伝いや、ゲームを一緒にする等の仕事をしてもらっています。eスポーツ、パーソナルトレーニング、フリースクール、それぞれの業務に対応できるように研修も用意しています。シフト変更にも柔軟に対応するなど、なるべく無理なく働き続けられるように、サポートを行っています」。
好きなことを仕事にすれば、自分に自信が持てるかもしれないと思いました
Wさんが『RE:VISION』で働き始めたのは昨年の12月。どのようなきっかけで入社したのでしょう。「立川で活動している認定NPO法人『育て上げネット』のお世話になりながら就職先を探していた際に、八田さんがゲーム関連のお店をオープンするという情報を聞きました。私自身ゲームが好きだったので、好きなことを仕事にしたら自信をつけられるかもしれないと思い、働かせてもらうことにしました。担当しているのは会員登録や施設案内などの接客、電話対応、清掃などです。子ども達に勉強を教えたり、一緒にゲームをすることも仕事です。学校の先生とは違う身近な大人として、心を開いてもらえるように関係性を育むことを大切にしています」。
子どもに懐いてもらえるのも嬉しいです
“自信をつけるために働き始めた”というWさんに、ここで働いて良かったことを教えていただきました。「ゲームを通して様々な世代のお客様と仲良くなれるところですね!子どもが大好きなので、懐いてもらえるとすごく嬉しいです。最初は電話対応がとても苦手でしたが、大分慣れてきて、以前よりもスムーズに対応できるようになったと思います。ここで働きながらできることを増やしていきたいと思っています」。
事業の幅を拡大して、就労に困難を抱える方の雇用を増やしたい
“eスポーツ”をキーワードに柔軟にサービスを展開することで、幅広いお客様にご利用いただいている『RE:VISION』。代表の八田さんに今後の目標をお伺いしました。「フリースクールでは、勉強だけでなく、ルールを守ることやネット上でのトラブルを避けるための言葉遣いなど、これからの社会を生きる上で必要なスキルも自然と学べます。ぜひ、学校とは違う“居場所”として多くの子ども達に利用してほしいです。小学校の先生からフリースクールを見学したいというお問い合わせを受けることもよくあります。最近ではeスポーツのプロチームの方々がネット中継やファンミーティングの会場として利用しています。他にも、大学のeスポーツ部の練習の場として、有名企業が福利厚生の一環としてゲームを楽しむ場としてなど、幅広い方々に利用していただけるようになりました。今後も多くの利用者の方に対応できるように、就労に困難を抱える方をより多く雇用していきたいです」。
(令和5年7月取材)