事例紹介

事業者情報
有限会社まるみ(まるみラボ)
所在地:東京都杉並区下高井戸2-10-21 カーサ桜上水716
業種:ホームページ制作など情報処理サービス
従業員数:4名
https://marumi-print.co.jp/
所在地:東京都杉並区下高井戸2-10-21 カーサ桜上水716
業種:ホームページ制作など情報処理サービス
従業員数:4名
https://marumi-print.co.jp/
Web事業と紙媒体のデザイン事業、2つのソーシャルファームを運営
ソーシャルファームとしてWeb事業を展開している『まるみラボ』の母体は、名刺専門の制作会社としてスタートし、現在はリーフレットやハガキ、会社案内などのビジネスツールのデザインも手掛けている『有限会社まるみ』です。こちらの事業所も東京都からソーシャルファームの認証を受けています。代表を務める三鴨岐子(みかもみちこ)さんが働き方に興味を持ったのは、ある社員の告白がきっかけでした。同社が近隣の就労移行支援機関から精神障害のある方のインターンシップを受け入れるタイミングで、「自分の病気を伏せておくわけにいかない」と自身に心の病があるということを告白してくれたのです。それを機に、三鴨さんは心の病に対する理解を深めるために勉強を重ね、その後精神保健福祉士の資格を取得し、就労に困難を抱える方の雇用に本格的に取り組むようになりました。まるみラボは「有限会社まるみのWeb事業を手厚くしたい」という三鴨さんの想いと、地域若者サポートステーションの運営団体からの「Webデザインを学んだ卒業生を受け入れてほしい」という要望が合致して誕生し、東京都からソーシャルファームの認証も受けソーシャルファームとして、新しい第一歩を踏み出したのです。

補助金によって、プロのITエンジニアがサポートとして加入!
『まるみラボ』の立ち上げにあたり大きな力となってくれたのは、もともと『有限会社まるみ』のお客様だったITエンジニアの鈴木芳光さん。名刺の発注を受けたことからお付き合いがスタートしたそう。「当社の会社全体のセキュリティの脆弱性をチェックしてもらったのを機に、さらに交流が深まっていきました。そこでソーシャルファームとしてWeb事業を立ち上げる際にサポートに入ってもらえないかお願いしたところ、二つ返事でOKをくれました」と三鴨さんは当時のことをうれしそうに回想してくれました。『まるみラボ』で働く方たちはWebに関する知識はあっても、実務経験が少ない方が多く在籍しています。鈴木さんはスタッフに向けてクライアントが求めているホームページを仕上げるために必要な情報の整理整頓や、HTMLやCSSといった言語やデザインに関するサポートの他、Webサーバーの設定方法に関するサポートなど多岐に渡る業務を担当。鈴木さんのサポートにあたり、三鴨さんは東京都にもとても感謝しているのだといいます。「『まるみラボ』の急成長は鈴木さんの指導の賜物なのですが、就労支援の補助金がなかったら依頼することができませんでした。その必要性を理解してくれた東京都には本当にありがたく思っています」。

コップに1滴ずつ水を垂らすように、できたことを言葉で埋めていく──
サイトデザインだけでなくキャラクターのデザインまでも手掛けた、桜上水駅付近に特化した情報サイト『ぷらっと桜上水』を2021年10月にオープン。そして、会社の顔である『有限会社まるみ』のホームページを2022年11月に全面リニューアル。どちらも非常にクオリティが高く、制作を担当した方々の工夫や努力が随所に感じられるものになっています。全体のディレクションなどを担当した三鴨さんですが、就労に困難を抱える方と共に働く上で、どのようなことを大切にしているのでしょうか。「就労に困難を抱える方々は、自分ができることでも「できない」と思い込んでしまうタイプの人が多いです。経験の少なさからくる心の空洞が、私たちが思うよりも大きいのだと思います。だから、空っぽのコップにぽたぽたと1滴ずつ水を入れていくように“ありがとう”や“できたじゃん”といった言葉で、少しずつ空洞を満たしていくようにしています。心の空洞が満たされ、本人から自信が溢れ出たときが、きっと支援が実を結んだ瞬間になるんでしょうね」と三鴨さんは真剣な面持ちで教えてくれました。

「自分の成長を感じられたときは、とてもうれしいです」
『まるみラボ』で働き始めて2年が経過したAさん。入社前は地域若者サポートステーションでホームページのデザインなどの勉強をしていたそうです。現在は週5日のフルタイム勤務。Webサイトのコーディングの作業などをメインに担当しています。「三鴨さんはとてもパワフルで、みんなを引っ張っていってくれるすごい人!おかげで楽しみながら働けています。鈴木さんに最初に教えてもらったのは、デザインを考える前にお客様の会社を知るところから始めるということです。ホームページを作ってどんな問題を解決したいのか、そのためには何をアピールするべきなのかといった情報を整理することの大切さを教えてもらいました。技術面でのレベルアップを感じられたときが働いていて一番うれしい瞬間ですが、まだまだ鈴木さんにフォローしてもらってばかり。少しずつでいいので自分一人でできることを増やしていきたいですね」とAさんは、明るい笑顔で今後の目標も教えてくれました。

「誰でも働く幸せを感じられる社会の実現に、これからも貢献していきます」
「まるみラボの成長に欠かせない人物」と三鴨さんが信頼を置く鈴木さんは、長年Webシステムの構築・保守、セキュリティ教育などを行なっています。「私は木曜日と金曜日の午後にここに来て、今まで培ってきたノウハウをベースにした教育やサポートを行っています。就労に困難を抱える方を対象とするのは初めてだったので、最初はどうやったら伝わるかはもちろんですが、明日来てくれるかなども不安に感じていました。でも、一人ひとりはやる気のある方ばかり!ゴールに最短コースで辿り着くには、地道に接するのが一番だということに気づきました。私が大切にしている言葉の一つに“皆働社会(かいどうしゃかい)”というものがあるのですが、これは “誰でも働く幸せを感じられる社会”という意味の言葉。就労に困難を抱える方も病気や障がいを抱える方も、健常者も共に働ける皆働社会の実現に貢献してきたいですね」。

さらに就労に困難を抱える方者を雇用するために、Web事業の成長に注力!
2021年4月にソーシャルファームとして事業を開始してから、そろそろ3年目を迎える『まるみラボ』。最後に今後の展望を、三鴨さんにお伺いしました。
「一番の目標は、5年目を迎えるまでにスタッフ一人ひとりが一人前に成長すること!そして就労に困難を抱える方を新たに受け入れ、働き場所を提供できるよう、さらに事業自体を成長させることです。就労に困難を抱える方と一緒に働く中で、“~でなければならない”という考え方は私の中から消えましたが、この2つの目標はきちんと実現したいですね。ちなみに『有限会社まるみ』のホームページは約10ヶ月という長い時間をかけてオープンしましたが、実はまだ発展途中。お客様に『素敵なサイトになりましたね!』とお声がけいただく機会は増えましたが、まだまだ良くなっていく予定です。ぜひ、これからの進化にも注目していただきたいです」。
(令和5年2月取材)
「一番の目標は、5年目を迎えるまでにスタッフ一人ひとりが一人前に成長すること!そして就労に困難を抱える方を新たに受け入れ、働き場所を提供できるよう、さらに事業自体を成長させることです。就労に困難を抱える方と一緒に働く中で、“~でなければならない”という考え方は私の中から消えましたが、この2つの目標はきちんと実現したいですね。ちなみに『有限会社まるみ』のホームページは約10ヶ月という長い時間をかけてオープンしましたが、実はまだ発展途中。お客様に『素敵なサイトになりましたね!』とお声がけいただく機会は増えましたが、まだまだ良くなっていく予定です。ぜひ、これからの進化にも注目していただきたいです」。
(令和5年2月取材)
